月に1度の故郷滋賀の琵琶湖塾で、立命館大学の陰山英男さんを講師に呼んだ。
陰山さんは、100マス計算でその名を全国的にとどろかせた人物である。
陰山さんが30歳前、山口の小学校の先生の時であった。日本の小学校・中学校などの生徒の学力低下が大問題となったのは、1999年であった。
ところが、陰山さんによるとそれ以後、学力はほとんど向上していないと言う。
なぜ学力が向上しないのか、教育とは何か、いかにあるべきか、と言う論理的な論争や討論ばかりが繰り返され、具体的なやり方のモデルが出てこないのである。
その点、陰山さんの話は明快である。
例えば小学生で、夜9時に寝る子供、10時に寝る子供、そして11時以後に寝る子供では成績に大きな差が出来る。
また、8時間以上寝る子供、7時間寝る子供、6時間寝る子供、5時間寝る子供、睡眠時間によっても、成績に大きく差が出てくる。
陰山さんは、「早寝・早起き・朝ごはん」この3つが学力を上げ、知能指数を上げる方法だと言っている。
現に、いくつかのデーターがそれを証明している。
陰山さんはまた、現在の教育にいくつもの問題点があることも指摘した。
例えば、中学の社会ではヨーロッパの国は1つ、日本の県は3つしか教えないそうである。それで義務教育を終ってしまう。
また、分数の計算でも5分の3-4分の1という計算はするが、2と3分の1+1と4分の1、といった計算はしないで終るらしい。
陰山さんは、ともかく漢字を書くこと、計算をする事、その反復練習をする事、それが大事だと強調した。
会場のお客さんたちは熱心に聞き入っていて、質問も多かった。
教育は子供を持つ誰にとっても切実な問題なのである。
追伸
10月2日の長崎での講演で、「将来米が足りなくなるので、諫早湾を埋め立てて田んぼにしようとした」と話をしましたが、これに対して、
「諫早湾干拓は埋め立てたのではなく、潟土を自然のまま乾燥させたものです」とご指摘がありました。
ご指摘どおり訂正いたします。
ご指摘に感謝しております。