田原総一朗です。
いま悲観論ばかりが世の中に氾濫している。
たとえば不況だとか、GDPがマイナスになったとか、
借金が900兆円だとか、就職確定率が70%いかないとか。
日本のマスコミも悲観論が好きだから、悲観論の話題ばかりになっている。
だから今日は明るい話をしたい。
先日、僕のとても仲の良い経産官僚と会った。
彼は、なぜ日本は悲観論ばかりなのだろうか、
日本にとってこんな明るい時代はない、
こんなチャンスはないんだと言っていた。
日本は限りない超大国になった。
超大国になったという意識を、なぜ日本人は持てないのか。
たとえば、これからは中小企業の時代である。
中小企業こそ、これからは繁栄する時代なのだ。
中小企業こそが、いまチャンスなのである。
今までは国内に工場を作ったり、お店を出してきた。
これからはベトナムに出ていけばいい。インドネシアでも、中国でもいい。
アジアどこでも作ればいい。
アジアが日本になった、すべてが市場になったと考えて、
どんどん海外に出ていけばいい。
大企業はどんどん海外に工場を作っている。
大手のスーパーも海外にお店を出している。
ところが、中小企業の経営者の頭の中には国際社会というものがない。
中小企業は国内産業だとまだ思っている。
それは、まったくの間違いだ。
中小企業まで出て行ったら、日本が空洞化するという。
それも違う。
現に目覚めて海外に出て行っている中小企業も多くはないがある。
出ていった中小企業の日本にある本社の機能はどんどん膨らんでいる。
中小企業がなぜ設備投資をしないかというと、儲からないからだ。
だが、中小企業でも海外に出て行って儲かればどんどん設備投資ができる。
中小企業が海外に出ていける時代である。
これからは中小企業のチャンスなのだ。
昭和の初めに日本は戦争をした。
満州事変、日中戦争、太平洋戦争と戦っていった。
なぜ日本は戦争をしたのか。
中国や満州のマーケットが欲しかったからである。
労働力が欲しくて、そして資源が欲しかったからだ。
そして、日本は失敗した。
太平洋戦争に負けて、侵略国と言われた。
ところが、今や戦争をしなくてもどこにだって出ていける。
中国だって、インドだって、ベトナムだって、みんなマーケットになっている。
工場も出ていっている。
侵略しなくても、命もかけなくても、資源だって手に入る。
こんなチャンスはないのだ。