「BOP」という言葉がある。最近、よく耳にする言葉である。
世界の中で所得がもっとも低い層、つまり所得ピラミッドの底部である、
ベース・オブ・ザ・ピラミッドを略してBOPと呼ぶ。
2007年に年間所得が3000ドル(約24万円)未満の層をBOPと
世界金融公社などが定義している。
現在、約40億人がこの層にいるという。 世界の人口の約6割にあたる。
一方、年間所得2万ドル以上の層、つまり所得ピラミッドの上部にいる人びとを
トップ・オブ・ザ・ピラミッド(TOP)と呼ぶ。
欧米などの先進国を中心に約2億人がいる。
BOPとTOPの中間にあるのがミドル・オブ・ザ・ピラミッド(MOP)だ。
およそ20億人いる。
日本企業は、これまでTOPを対象にビジネスを展開してきた。
ところがここ数年、途上国の経済発展によりMOPが拡大し、新たなマーケットに
なってきた。しかしながら、日本企業はそこでやや出遅れていると言われる。
さてBOPだが、もともとは援助の対象であり、ビジネスの対象ではなかった。
ところがここにきて、欧米の多くの企業がBOPビジネスを展開するように
なってきた。出遅れがちな日本の企業も、この市場に参入し始めているようだ。
たとえば、ヤクルトには、中国やインド、ブラジルなど海外14カ国で
乳酸飲料「ヤクルト」を売り込む現地女性の訪問販売員「ヤクルトレディ」がいる。
現地女性がもつ販売網の活用で売上を拡大させているのである。
同時に、現地女性を雇用することで地元の貧困層の雇用にも繋がる。
ほかにも味の素、明治製菓、住友化学、ヤマハ発動機、パナソニックなどが
さまざまな挑戦をしている。
「BOP」という言葉を僕が初めて聞いたのは、4年前のことだった。
経済産業省での取材で耳にしたのだが、そのときから僕は取材を始めた。
ところが、BOPビジネスを始めた日本企業を取材しようとすると、
ほとんど断られるのである。
貧しい国でビジネスをすることに「恥」あるいは「後ろめたさ」を感じているようで
あった。
これに対し、欧米の企業は積極的に取材に応じてくれた。
彼らはBOPビジネスに誇りをもっていた。彼らは、貧困地域を救い、
その地域の人びとを豊かにするのは意義のあることだと語ったのである。
4月2日の「日経新聞」朝刊で、「世界の低所得者 開拓」「40億人 将来の成長市場」
という見出しの記事が掲載された。
BOP ビジネスが広がり、日本企業もこの新しい市場に参入し始めたという内容だ。
このような記事が出たということは、日本の企業が取材に応じるようになってきた
証しだろう。
かつてBOPビジネスを「恥ずかしい」と思っていた認識が確実に変わってきて
いるようだ。
「失われた20年」などともいわれる長い経済の低迷のために、日本企業の経営者たちは
みな守りに入っている。しかし、この厳しい状況を脱するためには、攻めの姿勢が
必要だろう。
日本企業は市場のニーズを掴み、こまやかな対応をするのが得意だ。
BOPビジネスでもきっと成功できるはずだ。日本企業の復活と日本経済の再生の
可能性は、BOPビジネスの開拓によって大きく高まるに違いない。
長所を生かし、攻めの姿勢でチャレンジしてほしいと僕は思う。
40億人という新しい市場を見逃す手はない。日本経済の再生の鍵は、BOPにある。
BOPビジネスの開拓のポイントは、企業の意識改革だろう。
柔軟な発想が求められると思う。
また、既に成功している企業からどんどん学ぶことだろう。
ただ、政情不安な国もあるから、その国を十分調査し、リスクをきちんと考える必要はあると思う。
そしてグローバル化する中で、BOP、TOP、MOPの多角経営の可能性を探っていくことも考慮すべきであると思う。世界にネットワークを張り巡らし、そのベストミックスができれば、企業として各層にアピールできる有意義かつ面白い成長を遂げることができるのではないだろうか。
フェアトレード等言葉も聞いた事が有りますけれど、持ってくるのではなくて、
現地で作ったものは現地で消費が望ましい様な気もします。
つまりインドで日本車を作ったらその日本車は、
インドの人が100%消費していくと言う流れです。
日本で作った日本車は日本人が100%消費するという事であります。
現地で有られる「法人の利益」などを
日本に持ってくる方が良いのかもしれない。
よく「グローバル」と言う言葉も聞きますけれど、
その神髄と言うのか肝に成っているのは、働く人の賃金が、
「低い方に合わさっていく」という事ではないでしょうか?
昨今のデフレの問題も言われて久しいですけれど、
海外に居る6割の人BOPに合わさって行ってしまう
流れがよくない様な気がします。
「切り捨てる」とかそういう事を言いたいのではなくて、
そのBOPと言われる人たちの経済活動を膨らませると言う意味で、
自分たちが作り方を教わったり、作る機会は輸入したとしても、
自分たちが作った高級と言われるものを
自分たちで消費できる様になる流れに成れてこその様な気もします。
そういう意味で、例えば中国の話が思い出されもします。
彼らは自分が作っている高級なものを変える人はどれ程いるのでしょう?
一部TOPと言われる人は、中間と言われる人や
沿海部の人は飼える様に成っては来ているらしいですけれど、
全体から見ればまだまだではないでしょうか?
そういう人たちの経済規模を大きく膨らますには、
やはり一部の人達だけが設けて、設けたお金を海外に投資するのではなく、
自国に投資して行ってBOPの経済活動を大きくして言ってこそ、
社会と言うのか、世の中が安定していくのかなと思いもします。
短絡的に言えば、
日本はそれが出来ていたから、安定して発展してきたと思います。
そういう意味で開拓はしても良いのですけれど、
人件費が低い方に合わさって行くと言う流れを
どこかで断ち切って行かないと、
一部のTOPだけが儲かって、
発展途上にある国のTOPより下の人達がちょっと潤って、
日本などの普通の人達の給与や賃金が下がって行く
と言う現象に成り易いのではないでしょうか?
生意気ですけれどそんな風に感じます。
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鄧小平さんのフレーズ先富論の続きが大切 いつまでも本物を買えない不満
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