田原総一朗です。
『Red』という映画の試写を観た。
主人公の女性は、夫と夫の両親、
そして娘の家族5人暮らし。
何の不満もない生活を送っている。
しかし、かつての恋人と再会し、
「自分とは何か」、
「人生とは何か」ということを考え、
目覚めていくのである。
僕は、こんなにも大真面目で、
リアリティのある、
セックスシーンを見たことがない。
おとなの男女の関係、
愛というものを
真正面から描いた映画であり、
久しぶりに心がうずいた。
監督の三島有紀子さんは、
島本理生さんの原作を読んだとき、
「現代の『人形の家』になる」と
思ったそうである。
三島さんのその言葉に僕は深く納得した。
ヘンリック・イプセン原作の『人形の家』は、
何不自由のない生活を送る
弁護士の妻が、
ある事件をきっかけに
「自分の人生」を見つめ、
家を出るストーリーだ。
『Red』の主人公もまた、
男性と会ううちに
生活に「不満がない」のではなく、
自分が周りにあわせていたことに気づく。
男女平等と言われている現代でも、
『人形の家』はあるのだ。
いったいなぜなのか。
1月31日放送の『朝まで生テレビ!』は、
6名の女性国会議員に出演していただき、
「男女格差」について徹底討論した。
「男女同権」が叫ばれ、
1986年には男女雇用機会均等法が施行された。
2014年、安倍首相は
「すべての女性が輝く社会づくり推進室」を発足させた。
しかし、
世界経済フォーラムが
2019年12月に発表した「男女平等度ランキング」で、
日本は153カ国中121位。
前年の110位から順位を落として
過去最低となった。
政治分野では、
なんと144位なのである。
1位はアイスランド、
2位ノルウェー、
3位フィンランド、
4位スウェーデンと、
上位は北欧が占めた。
お隣の韓国は108位だった。
女性議員とパネリストたちに、
なぜこんな格差があるのかを問うた。
日本の男性の育児休暇取得率はわずか6%、
小泉進次郎環境相が、
育児休暇を取得する際には、
大騒ぎになった。
日本における、
男性の育児参加はまだまだ少ない。
つまりは育児は女性に任されており、
仕事を続けていく上で
大きな負担になっている。
保育園不足の問題、
ベビーシッターを頼むにしても、
経済的負担は大きく、
社会的に子育てを支援する体制、
基盤がまだまだできていないのだ。
また、日本は先進国で唯一、
夫婦別姓が認められていない国でもある。
議論をしていくうちに、
自分の不勉強を自覚せざるを得なかった。
現実では、まだまだ日本は男女の格差は大きい。
日本という国が活性化するためには、
女性が活躍できる社会にしなければならない。
そして、それは男性もまた活性化する、
ということに通じるのである。
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