田原総一朗です。
3月18日、
「森友学園」をめぐる決裁文書改ざんに関わり、
自殺した財務省近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻が、
国と佐川宣寿元国税庁長官を提訴した。
同時に発表された、
赤木さんが残した手記の全文を読んだ。
文書の改ざんはすべて、
佐川氏の指示だということがはっきり書かれている。
つまり、安倍首相の国会答弁に合わせるかたちで、
佐川氏が強引に改ざんを部下に指示したのだ。
赤木さんは、手記の中で
「財務省が
国会等で真実に反する虚偽の答弁を貫いている」
と強く批判している。
赤木さんは、長年勤務した
同省の不正と、
それに加担したことを悩みぬいて、
自ら命を絶ったのだ。
たいへんまじめな、
責任感の強い方だったのだろう。
佐川氏の責任は重く、
とんでもない人間だと思わざるを得ない。
では、
なぜ佐川氏が部下に
公的な文書を改ざんさせるなどという、
不正に走ったのか。
一言でいえば、
官邸への、
安倍首相への「忖度」である。
この「改ざん事件」では、
佐川氏はじめ、
数名の官僚が処分されたが、
政治家は何も責任を取っていない。
佐川氏のしたことは許されるものではないが、
そこには彼が「一官僚」として、
やらざるを得ない事情があったはずだ。
その事情を野党とメディアは、
もっと追求しなければならない。
2月に籠池夫妻は有罪判決を受けたが、
森友問題はまだまったく終わっていない。
「最後は下部が
しっぽを切られる。
なんて世の中だ」
赤木さんが、
最期に残した手書きの一文を
安倍首相は、
麻生財務大臣は、
人間としてどう読むのか。