田原総一朗です。
7月7日、
お誘いをいただき、
「和楽器シアター東京」で、
琴と尺八、
そして津軽三味線の演奏を聴いた。
オープニングは、
アメリカやイギリス、
中国、韓国など
世界の国歌メドレー。
続いて「春の海」。
何度も耳にしているメロディだが、
2台の琴と尺八、
津軽三味線が
織りなす音色がとても新鮮だ。
しみじみと聞き入った。
終盤には、
久石譲さんの「風のとおり道」、
初音ミクの「千本桜」……。
叙情豊かな尺八の音色、
琴の音に驚かされた。
こんなにも多彩なものか。
そして、津軽三味線の力強さ、
テンポのよい演奏には
胸が躍った。
日本には、こんなにも
すばらしい芸術文化があるのだと、
僕はあらためて感動した。
しかも演奏しているのは、
全員東京芸術大卒業の
若手演奏家たちだという。
舞台間近で聴いていると、
その一生懸命さが伝わってきた。
このような若い人たちが、
文化を担ってくれている。
演奏はもちろん
すばらしかったが、
この日の演奏家4名は
全員女性で、
その和服姿も美しかった。
舞台となっているのは、
東銀座にある、
あの歌舞伎座が入っている
歌舞伎座タワーの5階、
「木挽町ホール」。
歌舞伎の舞台をしつらえており、
和服がよく映えていた。
演奏終了後は、
和楽器の演奏体験をしたり、
本物の歌舞伎の衣裳が
飾られているのを見たりできる。
ちなみに
この歌舞伎の衣裳は高価なもので、
めったに近くで見られないという。
着て写真を撮ることができる衣裳もあった。
僕は、実は歌舞伎は好きで、
時々見に行く。
若い人などが、
歌舞伎をいきなり見るのは
ハードルが高くても、
こうした機会が
もっとあればいいと思う。
しかし、和楽器というのは、
日本人でありながら、
なかなか聴いたり、
演奏する機会がないのが現状だ。
それは、和楽器演奏家たちにとっても、
恵まれた環境とは
言えないだろう。
日本政府の文化予算は、
世界先進国の中でも格段に少ない。
伝統文化は一度途切れると、
復活させることは困難だ。
国にも担い手をもっと支援する
方策を考えてほしい。
が、まずはこの
「和楽器シアター東京」
の取組を応援したいと思った。
石破首相も見てみてはどうか。
公式サイト「和楽器シアター東京」
https://www.promax.co.jp/wagakkitheatertokyo/